妊娠中に行う血液検査
妊娠が確定してから出産まで、初期・中期・後期と血液検査があります。
どうして必要なのでしょうか?
どのようなことがわかるのでしょうか?
そんな妊娠中の血液検査についてまとめました。
1回の血液検査でどのようなことがわかるのか知っておきましょう。
妊婦健診での血液検査の目的
妊娠中の血液検査は、妊娠の経過が正常であることの確認と、異常の早期発見や予防を目的に、妊娠週数に応じて妊婦健診の際におこないます。
血液検査に異常があれば、妊婦健診の間隔を短くしたり、必要に応じて治療や入院管理をします。
検査結果は、次回の健診時に医師より説明します。
電話での結果説明は出来ませんので、必ず健診時に妊婦さんご本人への説明となります。
血液検査は高いの?
当日は妊婦健診の金額以外に、血液検査費用がかかります。
初期・中期・後期によって金額は変わります。
健診と検査の合計金額は1万円を超えてしまいます。
初期検査15,000円+健診5,000円
クラミジア・細菌培養検査5,000円+健診5,000円
中期検査10,500円+健診5,000円
後期検査13,000円+健診5,000円
NST検査2,000円+健診5,000円
しかし現在は、妊婦さんの負担を減らす制度
『妊婦健康診査受診券(補助券)』
の助成金制度がありますので、窓口での負担金額は非常に少なくなりました。
奈良県の方は、検査の日でも窓口負担は0円~3,000円くらいになります。
追加の検査があった場合、補助券の使用ペースによっては3,000円以上になることもあります。
他府県の方は、市町村によって金額は変わりますので、くわしくは受付までお尋ねください。
詳しくはこちらをご覧ください。
妊娠初期検査(6週前後)
・末梢血液
血液の中に含まれる赤血球、白血球、ヘモグロビン、血小板などの数や量を測定し、貧血などの検査を行います。
・血糖
妊娠糖尿病の発見に役立ちます。日常の食事の生活習慣の指導のもとになります。
・不規則抗体
分娩時の多量出血に対する予備的な検査です。万が一、輸血になった場合に備えます。母体血中に特殊な不規則性抗体が存在すると、胎児に貧血や黄疸が起こることが知られています。
・血液型
ABO型とRh型を調べます。分娩時の大量出血などに備えて不可欠な検査です。
・WaR
梅毒の検査です。早期発見で治療を行えば、赤ちゃんへの感染は防ぐことができます。
・HBs抗原
お母さんがB型肝炎ウイルスに感染している場合、赤ちゃんに感染することがあります。予防対策で出生後の感染を防ぐことができます。
・風疹抗体
妊娠中に風疹にかかると、胎児に先天性風疹症候群を生じることがあります。風疹は一度かかれば、一生免疫を持ち妊娠中もほとんど心配ありませんが、今迄にかかったことの無い妊婦さんは注意が必要です。
・HTLV-1抗体
成人T細胞白血病ウイルスの検査です。主要な感染経路は輸血、性行為、母子感染で、母子感染の大部分は母乳授乳による感染といわれています。HTLV-1抗体を測定し感染の有無を知っておくことで、赤ちゃんへの感染率を下げることができます。
・トキソプラズマ
猫のフン、豚や羊の生肉より母体に感染し胎盤を通じて胎児に移行して、先天性トキソプラズマ症を生じる微生物です。猫を飼っていてもすべての猫がトキソプラズマを持っている訳ではありませんので、この検査で、母体のトキソプラズマ感染の有無が判ります。
・HCV抗体
C型肝炎の有無を検査します。陽性の場合、C型肝炎に以前に感染したことを意味します。ウイルス量が多ければ、母子感染のリスクが高くなります。
・HIV
人免疫不全ウイルス、エイズを起こします。早期発見で胎児に感染することを予防します。
・サイトメガロ
ヘルペスウイルスの一種です。妊娠中に母体感染すると、胎児に感染することがあります。
・子宮頸がん検査
※採血ではありません。
ブラシや綿棒で子宮頸部をこすり、細胞を採取して行う子宮頸部細胞診検査です。
クラミジア・細菌培養検査(12週前後)
※採血ではありません。
膣内のおりものを専用の綿棒で採取し、培養検査をおこないます。
・クラミジア
クラミジアは感染した場合でも約70%は無症状で、妊娠して初めて発見される場合が多くあります。産道感染により新生児に感染します。陽性の場合は、妊娠中でも抗生物質の内服で積極的に治療すること、お父さん(パートナー)も一緒に治療することが大切です。
・分泌物培養
膣内の細菌、特にGBS菌の存在の有無を調べます。
GBS菌が膣内にいると新生児に感染を起こすことがあります。
・カンジダ培養
羊水感染、分娩時産道感染し、皮膚カンジダ症・鵞口瘡(がこうそう)を起こします。
・トリコモナス培養
妊娠中にトリコモナス腟炎に感染すると、早産や流産のリスクを高めてしまう場合があります。
・嫌気性培養
早産における破水を予見します。
妊娠中期検査(27週前後)
・末梢血液
血液の中に含まれる赤血球、白血球、ヘモグロビン、血小板などの数や量を測定し、貧血などの検査を行います。
・血糖
妊娠糖尿病の発見に役立ちます。日常の食事の生活習慣の指導のもとになります。
・GOT、GPT
肝臓の働きを調べます。GOTは身体の重要な構成要素であるアミノ酸をつくり出す酵素のひとつ。GPTは肝臓、腎臓、心筋、骨格筋など細胞に含まれる要素で、特に肝臓に多いことから、急性肝炎や慢性肝炎、肝硬変などの肝疾患を診断する上で重要な検査になります。妊婦さんはHELLP症候群、急性妊婦脂肪肝等の重症疾患で異常値となります。
・T-ch
総コレステロール値を調べます。妊娠中は脂質(コレステロールや中性脂肪)の値が非妊時よりも高くなることが知られています。
・TP
血液中のたんぱく質を測定します。栄養状態が反映されます。
・クラミジア
クラミジアは性行為感染症の中で最も頻度が多く、感染した場合でも約70%は無症状で、妊娠して初めて発見される場合が多くあります。産道感染により新生児に感染します。陽性の場合は、妊娠中でも抗生物質の内服で積極的に治療すること、お父さん(パートナー)も一緒に治療することが大切です。
細菌培養検査
※採血ではありません。
膣内のおりものを専用の綿棒で採取し、培養検査をおこないます。
・分泌物培養
膣内の細菌、特にGBS菌の存在の有無を調べます。
GBS菌が膣内にいると新生児に感染を起こすことがあります。
・カンジダ培養
羊水感染、分娩時産道感染し、皮膚カンジダ症・鵞口瘡(がこうそう)を起こします。
・トリコモナス培養
妊娠中にトリコモナス腟炎に感染すると、早産や流産のリスクを高めてしまう場合があります。
妊娠後期検査(35週前後)
・末梢血液
血液の中に含まれる赤血球、白血球、ヘモグロビン、血小板などの数や量を測定し、貧血などの検査を行います。
・血糖
妊娠糖尿病の発見に役立ちます。日常の食事の生活習慣の指導のもとになります。
・C3
蛋白質の一種で細菌などの感染防御や炎症反応に重要な働きをします。
・C4
C3と同様に細菌などの感染防御や炎症反応に重要な働きをします。
・止血検査
APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)やPT(プロトロンビン時間)を調べます。血管内の凝固因子の異常を判定するのに使用する検査で、この時間が長いということは、血液が凝固しにくいと言えます。
・AT-Ⅲ
AT-Ⅲ(アンチトロンビン)は血液中にあるタンパク質で、血が固まる(凝固)のを抑える働きがあります。
細菌培養検査
※採血ではありません。
膣内のおりものを専用の綿棒で採取し、培養検査をおこないます。
・分泌物培養
膣内の細菌、特にGBS菌の存在の有無を調べます。
GBS菌が膣内にいると新生児に感染を起こすことがあります。
・カンジダ培養
羊水感染、分娩時産道感染し、皮膚カンジダ症・鵞口瘡(がこうそう)を起こします。
・トリコモナス培養
妊娠中にトリコモナス腟炎に感染すると、早産や流産のリスクを高めてしまう場合があります。
NST検査(37週以降)
ノンストレステスト(NST)とは、分娩監視装置を装着して胎児の心拍を調べる検査です。胎児の心拍数や母体の子宮の収縮具合が波形状に表示される分娩監視装置を用いて行われ、胎児が元気であるかどうかを確認します。